こんにちは!
うさカンです。
今日読んだ本はこちらです。
桜丘中学校は有名なので、私も知っていました。
この学校の特徴は、
①校則がない
②チャイムがない
③定期テストがない
④宿題がない
⑤服装、髪型の自由
⑥スマホ、タブレットの持ち込み自由
⑦登校時間の自由
⑧授業中に廊下で学習する自由
⑨授業中に寝る自由
⑩授業を「つまらない」と批判する自由
p38より
公立の学校で、ここまで特色があるのは珍しいですが、是非このような自由、理不尽がない学校が広がってほしいな〜と思います。不登校はいないそうです。
この本には、どうしてこの学校が、
「あれもこれも撤廃」して「自由な学校」になったのか、校長先生の考え方がとても細かく書かれていて、これを読めば「なるほど〜」と納得できることばかりだと思います。
裏表紙には、
思い切り甘やかしてください。
子育てに「しつけ」は必要ありません。
夢のような環境の中でほうっておけば、
自然に学ぶ力が備わっている子どもは、自らの力で学びます。
と書いてあります。
是非たくさんの方に、実際に読んでみてほしいなーと思います。
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偶然ですが、我が家もこの学校に負けないぐらい、とても自由に子育てしています。
ルールはほとんどありません。
どうしてそうなったのか、というと、
もともと私は子育ての中で自主性を大切にしたいと思っていました。
それは、自分がやりたいことばっかり自由に選んできた人生だったからだと思います。
好きなことばかり選んだからといって、けっして楽な人生ではありません。特に私は体が丈夫ではないので、何度も挫折を繰り返しました。
それでも、大変だけど楽しい人生かな、と思います。
子供にも、自分で考えて、自分がいいと思う人生を作っていってほしいな、と思って育ててきました。
そんな中で、娘が起立性調節障害になってしまいました。この病気は、はっきり言って、普通の社会ルールの通りに生きることは不可能です。(重症の場合)
みんな、時間は守れなくなるし、食事は出来なくなるし、睡眠はバラバラ、運動なんてとても無理…
と、世間でいいと言われていることが何も出来なくなってしまいます。相当心にもダメージがきます。
そういう訳で、とにかく娘が生活しやすいように、家のルールが全部撤廃されました。
また、不登校になって勉強どころではなくなってしまったので、本当の本当に「自由」な生活になりました。(本当は体が思うように動かないから、全然自由とは言えないけれど)
さらに、そのあと、私が体調を悪くしてしまったので、何も子供達の為に出来ない、もどかしい日々になりました。
それで、長女も次女も、自分で考えて生活する、自由で責任のある生活になっていきました。
私は、自分がだめだったので、子供に指示することが出来なくなってしまいました。
不登校なので、どれだけでも生活を乱れようと思えば乱れることができます。
でも、ひとつひとつ、問題は自分のことなんだ、という意識が芽生えて、自分をコントロールすることを覚えていきました。
寝ることも起きることも食べることも、全てはママの為ではなく自分のため、
そこを理解すると、自分で時間を考えながら、行動していくんです。
学校のチャイムのように、
お母さんが「寝なさい」と号令をかけなくても、
なんだか自分で考えて動くようになりました。
もちろん、完璧ではありません。
でも、私も体調が悪すぎてダラダラしてたので、子供に注意できるわけがありません💦
とにかく何も言わず(声をかけることはあるけど)、怒らず、失敗しながら子供自身が学んでいく、とてもゆっくりな成長だけどしっかりした土台が出来ました。
本書にもありましたが、
中学校に入学して突然の自由な学校になると、
子供達は試し行動をして荒れるのだそうです。
そこで先生方が何をしても怒らず、子供達を見守っていくと、子供達は先生を信頼するようになって落ち着くのだそうです。
学校で、みんなでやっていても一年かかるそうです。家庭でこれをやるとなると、時間がかかるでしょうね。
でも、なんでも主体的に自分のこととして行動するようになった子供は、あとは伸びるだけです。
とてもたくましくなると思います。
誰にも指示されなくても動ける、これが真の自律じゃないかな〜と思います。
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私はこれまで、この子育て方法がとてもよかった、意図した訳ではなく、結果的にこうなったかな、というところはありますが、でもそう思ってきました。
だけど、私は女のコ二人しか育てたことがないし、二人ともHSCという特性を持っています。
娘達は、空気を読むことが得意だし(得意すぎて大人数だと困る💦)、
正しいこと、親の意図などを敏感に感じるタイプです。
だから、自由にほっといても、いわゆるイイコで悪い方向には行かないのかな、と思ってきました。
だから、この子育てがいいと思っても、あまり人におすすめ出来ませんでした。自由に育てて、他の子にも通用するのか分からなかったのです。
でも、本書に出逢って、自信が出てきました。
この学校では、ルールがなくても(ないからこそ)発達障害の子も、不登校の子も、そして定型発達の子も、みんな学校を楽しむことが出来て、自分なりに頑張ることができているようなんです。性別も関係ありません。
みんなが自分なりにいきいきとして、
悪いことをする生徒もいなくなり、成績も伸びてきて、いいことたくさん、のようです。
本当に子供達も先生方も楽しそう!
そこには、子育てというより、先生育てをしてきた、この校長先生の思いがあったようです。
先生のほうが、これまでの常識の枠がありますから、変わるのは大変だったでしょうね^_^
子供を注意するのは簡単ですが、見守る子育ては大変です。
でも、子供達がどんどん変わってくるのを見ると、すごく楽しいし、素晴らしい喜びを発見できるから、先生方もますますやる気になるようです。
私もそんな感じ😅
毎日が発見だらけで、ほっとけばほっとくほど子供が勝手に成長していくから面白いです。
そして、どんどん楽になります。
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私が初めての育児で、この自分で考える自主性を大切にする、を実践した時、実はうまくいきませんでした。
小学校一年生の頃はよかったのですが、三年生くらいから、だんだん怪しくなってきました。
私は自分で考えて、失敗しながら学んでほしいと思っていたので、学校の持ち物や宿題やテストなど、全然口をはさみませんでした。それが普通だと思っていました。
ところが、他の子達は、親が全てチェックするので、忘れ物もしないし、勉強もバッチリ、失敗なんてしません。
宿泊学習の保護者向け説明会では、私は面食らってしまいました。
先生も保護者も、念入りに行動計画から持ち物から話し合っていて、宿泊学習の前にお家で予行練習まですると言うのです。
そうすれば、時間がずれなくて、本番ではスムーズに行く、ということだったのですが、
私から見ると、これはいったい何が楽しいんだろう??と疑問だらけでした。
成功することに意味があると、先生方は一生懸命に見えました。全く自由がないし、バッグから持ち物から全て決まっていて、子供が自分で考えたり工夫する余地がないのです。
いったいこれは、人生の練習なのか、ただのパフォーマンスなのか、誰のための行事なのか、全く分かりません。
そういう環境の中で、私のような子育てをしてしまったため、きっと娘は自分ばっかり失敗する、上手くできない、みたいなことがちょいちょいあって、自信を無くしていったのだと思います。
安心して失敗できる場所がないと、もう自分の居場所がなくなってしまいます。
それが不登校の一因になったかもなあ、と思います。
そして、これは不登校になってからの中学校の話ですが、
この頃から、保護者への連絡がメールで来るようになりました。我が家には関係ない連絡ばかりですが、登録していたので全部見ることが出来ました。
その連絡メールの大半は、
子供の持ち物や時間割についてでした。
これまた私をビックリさせました。
明日は○○を忘れないように必ず持たせてください、
明日は○○の締め切り日です、
明日の時間割変更を子供に確認して伝えてください、
子供達に伝え忘れましたが、明日は○○です、
などなど、頻繁にメールがやってきます。
もちろん現代においてメールは便利なんですけど、こうやっていちいちリマインダーが来るということは、自分で考える必要がなくなるし、失敗の経験もなくなります。
一見便利だけど、子供のうちに失敗しておかないと、大人になって挫折しちゃうんじゃないかなあ、と心配になってしまいます。
もう世の中が忙しすぎて、
子供達も部活に塾にと忙しすぎて、
自分でしっかり「次は何をすべきか」考える余裕がないのでしょうか。
親がかりで次々に来る連絡に従って動く、ベルトコンベアーみたいだなあ、と私は思ってしまいました。
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という訳で、これは数年前の話です。
世の中の変化は激しいので、教育方法も変わってきたかもしれません。
この本の中では、
これは中学校の話だけど、自主性を重んじて育てるのは早ければ早いほうがよい、と書いてありました。私も賛成です。
なかなか集団生活を送りながら、
毎日の生活を子供に任せるというのは難しいんだな、と私も経験してきました。
だからこそ、この夏休み、長期休みの間に、
少しずつ練習してみるのはおすすめだと思っています。
目先のことより、子供の根本を育てると思って、
子供と一緒に、ひとつひとつの行動の意味を考えて、指示待ち人間から卒業してみませんか?
近くにこんな学校があったらいいのにな〜と思った、そんな読書でした。
最後に、本書にあった、「非認知的能力」の高め方を学びましょう
・子どもが言うことを否定しない
・子どもの話を聞いてあげる
・子どもに共感する
・子どもとのふれあいをする
・能力ではなく、努力を褒める
・行動を強制しない
p123より
簡単なようで難しいですね。非認知的能力とは、テストでは測れない力です。
子ども達の将来の為に大切な力だそうです。
子どもには、手取り足取り指示しなければ何も出来ないと思っている教師や親は、子どもの力を見くびっているそうです。
子どもの力を信じて育てたいですね。
この話がただの理想論だと思う方は、是非一度この本を手に取ってみてほしいな、と思います。